『パティスリー菓欒』は、オーナー・シェフの北村拓二さんが20年前に京都・西賀茂で創業し、2012年秋には、それから徒歩すぐのところに移転・リニューアルした。
看板商品である「西賀茂チーズ」はあまりにも有名だが、その他にも地域の名前を付けた焼菓子や、色とりどりの生菓子、ギフトなど、様々なアイテムを用意し、地域の人に親しまれている。
3月なら、ひなまつり、ホワイトデー、卒・入学など、年間のイベントに欠かせないお菓子のギフトも人気で、店頭に並べた焼菓子が次々に売れていくなか、その生産力アップに一役買っているのが、テックヨロズのオリジナルマシンだ。
まず、厨房奥の気温11℃に保たれたパイ室に置かれているのは、クッキー成型機とクッキーカッターで、店舗移転による厨房の拡大や、販売量の増加に合わせて導入したという二つのマシンは、ずばり「人手の足りない部分を補ってくれるもの」と北村シェフ。
クッキー成型機は様々な生地に対応し、また生地を傷めることなく、手で扱うように、型崩れなしで生地を押し出すことができる。また、クッキーカッターは、簡単に厚みが調整でき、連続切断によってスピーディーに作業が進み、ロス生地も減らすことができる。
「経験あるパティシエが手で行なっていた仕事を、パートさんにも任せられるというのは大きいですね。このパイ室で、生地の状態を保ちながら集中して作業してもらえるので、生産効率も上がります。
衛生的でもありますし、今はここが定位置ですが、コンパクトなので別の場所で使うこともできるんです。
このマシンで作っている代表的商品は、『バターミルククッキー』。型を使ったお家の形がかわいいでしょ」 「バターミルククッキー」は、プレーン、苺、抹茶、ピーカンナッツ、ココアの5種類があり、春はホワイトデーのギフトとして、単品も組み合わせもよく売れた。
また厨房の大きな空間の一角の作業台の上では、粉ふるいのバイブロシフターが活躍し、作業時間の短縮化が進んでいる。
「粉をふるうというのは、時間も力も要るものです。そこを効率化したいということと、粉を飛び散らせず、きれいな作業がしたいということから、採用しました。
人の手と同じような仕事が、速くできるので助かりますね」
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